兄弟同じように育てているのになぜ違うの?とお悩みの方へ
子どもにはそれぞれ個性があるのはわかります。複数の子どもを育てていると、日常的に性格の違いを目の当たりにします。しかし、なぜこの子は上の子(あるいは下の子)よりずっと手がかかるのか?どうしてこんなにわがままなの?そんなことを考えたことはありませんか?
兄弟だからこそ、気になる違いがある
同じように育てているのに、どうしてこんなに違うのだろうとイライラするときは、視点を変えて考えてみましょう。
親が受け入れにくい兄弟間の違い
外見や性格は比較的受け入れやすい個性です。
あまり似ていない兄弟でも、”同じように育てたのに、どうしてこんなに顔が違うのだろう?”。とは思わない。”どうしてこんなに性格が違うんだろう?”とも思いません。特に男の子と女の子の兄弟ならなおさらだ。”どうして兄弟でこんなに興味が違うのだろう”と不思議に思っても、性格の面白い一面として受け入れることができるかもしれない。
しかし、学校の成績や社会的交流となると、状況は少し違ってくる。同じように育てているのに、どうしてこの子の成績はこんなに悪いのだろう?どうしてこの子は友達とうまくいかないんだろう?そんな疑問を抱いたことはないだろうか。
兄弟姉妹は最も身近な比較対象だ。そして、やはり自分の子供ですから、優秀であってほしいし、人から愛されてほしいと思うものです。そのため、親は「より優秀な子」を基準に判断しがちだ。
一生懸命努力すれば、成績も社会的交流も何とかなると信じているので、親は兄弟間の違いを嘆くかもしれない。
「出来が悪い」と思われた子どもは、たまったものではない。仲の悪いきょうだいは、親や周囲の人から比較されて育ったことが多いことが分かっています。
「きょうだいを同じように育てる」とはどういうことか
そもそも「きょうだいを同じように育てる」ことはできるのでしょうか。「同じ」とは、何をもって「同じ」なのでしょう?
2人目以降のきょうだいは、生まれたときから兄姉がおり、両親の年齢も経済状況も異なる。時が経てば文化も貨幣価値も変わる。親も成長するので、子供に対する態度や接し方も変わる。
「同じように育てているのに」と文句を言いたくなってしまうときは、子どもを同じように育てなければ!と無理をしているのかもしれません。
場合によっては、上の子を育てるより下の子を育てる時の方が経済的に大変なこともある。そのような場合、親は上の子と同じだけのお金と時間をかけてあげたい、と無理をしがちです。
しかし、子どもにとってはそれほど重要な問題ではないことが多い。親が大切にしていることと、子どもが望んでいることの間には常にギャップがある。
「もっと買ってほしい」「もっと家にいてほしい」という子どもの希望に必ずしも応える必要はないし、そうすることが子どものためになるとも限らない。大切なのは、家庭の状況をできるだけ子どもに伝え、家族の一員として理解と協力を求めることです。
親の仕事や家族の健康状態などによって、家庭の状況が変化するのは当たり前のことです。ですから、子どもに対して「申し訳ない」と思うのではなく、堂々として接しましょう。そして、「もっと手伝ってくれると助かる」と言いましょう。そして、「もっと手伝ってくれたら、一緒に遊ぶ時間が増えるのに」など、状況を改善するためにできることを考え、子どもと「交渉」しましょう。
子どもを心配させたくないかもしれない。しかし、何も知らされず、雰囲気だけで環境の変化を感じて不安になることもあります。きょうだいの年齢差にもよりますが、上の子だけが変化を知っているという状況を作らないようにしましょう。
「かわいい」という感覚に差がある場合
上の子(あるいは下の子)をかわいいと思えないという悩みを持つ親は多い。「同じように可愛がらなければならない」「同じように接しなければならない」「同じように可愛いと思わなければならない」と思ってしまうと、親子ともに辛くなってしまうかもしれない。
無理に抑圧された感情が、無意識のうちに態度に出てしまう。これは子どもにとってはもっと難しいことだ。上の子(下の子)が下の子(上の子)よりかわいいと自覚していれば、それが態度に出ないようにコントロールできる。
自分と似たような気質の子の方が、行動や考えがわかりやすくてかわいいと思うかもしれない。自分の子どもであることをすばらしいと思うかもしれないし、パートナーの長所を受け継いでいると思う部分は、我が子ながら素晴らしいと思うかもしれない。
しかし、自分やパートナー、あるいは自分の両親の短所を受け継いでいると感じれば、イライラすることがあるかもしれない。
「自分(または家族の誰か)に似ていて気になる」ということは、自分の克服したい部分なのかもしれませんし、その「誰か」との関係に課題があるということかもしれません。それは子供の問題ではなく、”あなた自身の問題 “なのかもしれない。「子どもの問題ではなく、自分自身の問題」という視点に立てば、子どもとの関わり方も変わってくる。
親子それぞれの成長とともに家族関係も変わっていくのですから、肩の力を抜いてもいいのです。