良い兄弟関係を育むために親がすべきこと

良い兄弟関係を育むために親がすべきこと

目次
互いを認め合うきょうだい関係を育むために、親は何をすべきなのだろうか
きょうだい間の立場や関係は、人格形成や人生の進路、さらには生き方にまで影響を与える。兄弟姉妹には我慢しなければならないこともあるでしょうが、お互いを尊重しながら成長できればいいですね。お互いを認め合うきょうだい関係を育むために、私たちはどのように子どもと向き合えばいいのでしょうか。
下の子が生まれると、いきなり「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」になり、下の子とケンカをすると、「お兄ちゃんなのに、弟(妹)と同じレベルでケンカをするな」「お姉ちゃんなのに、そんなことを言うの」と言われることが多い。私自身は3人姉妹である。
私自身は3人姉妹の長女で2人(男1人、女1人)の子供がいるが、長子というのは難しい立場だと感じている。親の立場からすると、親の意向の方が大きいとしても、長男は当然いろいろな経験をするわけで、親にとっては初めての保育園通い、初めての進学、初めての子育てで精一杯という気持ちが常にある。
しかし、だからといって子どもは「年長でよかった」と思っているわけではない。ただ単に、厳しく甘やかされない下の子をうらやましく思っているだけかもしれない。
上の子に “上の子らしく “させたいのであれば、まずはその子のプライドを尊重し、下の子が上の子を尊敬できる環境を作ること
「年齢は関係ない」と、下の子が上の子を尊敬できる環境を作ることが必要だと思います。何かあった時だけ、上の子が上の子らしくする。これは「上下関係」が必要という意味ではなく、上の子を「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と呼ばず名前で呼び、上の子であることを当たり前と思わず、思い切り褒めるなど、上の子であることを誇りに思えるような接し方をすること。
比較することなく、その子自身の魅力を見つけ、評価する
兄弟が何人いるかは、その子にはどうしようもない事実である。兄弟姉妹と比較されるのは楽しいことではない。兄弟姉妹を比べても、足が速いとか遅いとか、背が高いとか低いとか、勉強ができるとかできないとか、意味がないとわかっていても、私たちはつい、”あの子はよくできたけど、あなたはちょっと…”などと比べてしまいがちです。「お兄ちゃんはできるけど、あなたはできない」とか、「お姉ちゃんは生活態度が落ち着いていると先生が言っていたよ」と言うのは、兄弟の関係を悪くしなさいと言っているようなものかもしれない。
例えば、「(器用ではないが)忍耐強い」とか「(すばしっこいわけではないが)注意深い」とか。子ども自身の魅力をよく見て、それを伝える。
兄弟げんかを親が止めないこと
自分の子どもたちを見ていると、さっきまで仲良く笑っていた子どもたちが、次の瞬間には激しいケンカになるのを見たことがある。そして喧嘩の後、15分もすればまた笑って遊んでいる。兄弟喧嘩は遊びであり、楽しいものだ。もちろん、親が顔をしかめるような、もっと激しくて意地悪な喧嘩もある。
上の子に「下の子に構わなければいいじゃない」と言った時、「どうせ弟の味方なんでしょ」と言われたことがある。年上だからというのは親の目線であって、子どもは「自分を認めてもらう」ことに関心があるのだと気づかされた場面だった。年下だからといって特別扱いしないことも必要かもしれない。
いずれにせよ、親が兄弟げんかを裁こうとすると、どちらかに不満が残り、くすぶってしまうことが多い。批判するのではなく、お互いの言い分に耳を傾けることで、双方が落ち着くことができる。
子どもたちを対等ではなく、個人として扱う
同じ子どもや兄弟であっても、性格の違う別の人間です。そもそも平等に接することなど不可能なのだが、親は「同じようにいろいろなことを経験してきた」と思いがちだ。もちろん、どの子にも同じ愛情で接していると思い込んでいるからかもしれないが、子どもにとって幸せなのは、平等に扱われることではなく、個性や自分を認めてもらうことなのだ。自分の個性を認めてもらえたと感じれば、他の兄弟姉妹のことも認められるようになる。
兄弟それぞれの個性を発見し、活かすもうひとつの効果的な方法は、一緒に何かに取り組む経験をさせることである。レジャーを計画させる、一緒に料理を作る、一緒に買い物に行く…。小学生以上になれば、一緒に取り組むことをどんどん増やしていけばいい。そうすることで、「相手(お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟、妹)のこんなところがすごい。」と気づけるかもしれない。
面倒なこともあるかもしれないが、兄弟は出会うべくして出会った仲間。幼い頃に兄妹で体験したことや見た景色を、大人になってから振り返ることができるように、親が幼少期の兄妹関係をサポートしてあげられたらいいですね。