毒親とモンスターペアレントはダメ!ほどよい母親とは


毒親からモンペまで…. 親が問題視される時代
イギリスのウィニコット博士が提唱した「ほどよい母親」から、問題視される親の在り方を考えます。
心理学におけるネガティブ・ペアレンティングとは?
海外で行われた児童心理学の研究報告を読むと、「ネガティブ・ペアレンティング」という言葉をよく目にする。ペアレンティング(parenting)とは「子育て」という意味なので、ネガティブ・ペアレンティングとは、子どもに悪影響を与える子育てのことである。
心理学におけるネガティブ・ペアレンティングには、以下のようなものがある。
・虐待やネグレクト、
・毒親、モンスターペアレント、ヘリコプターペアレント
・過保護、カーリング・ペアレンと
ネグレクト、虐待、毒親タイプはドラマなどで問題になっているため、悪い子育ての代表として認知度が高い。「過保護」もこのカテゴリーに入る。他のパターンほど悪いイメージはないかもしれないが、心理学ではネガティブな育児スタイルのひとつとされている。
どちらも親子間のアンバランスが原因で、子どもの現在と将来に悪影響を及ぼす傾向がある。
ネガティブ育児に共通するアンバランス
親子のバランスと書きましたが、子育ては親の軸がどこにあるかによって、すぐにアンバランスになってしまいます。
例えば
虐待、ネグレクト⇒自分が可愛いパターン
親の「私が、私が、私が」が強すぎて、子どもに目を向けない。最近会った子供の置き去りの事件では、母親自身が酒を飲むために子どもを置き去りにした。
過保護で丸い親 ⇒ 子どもが可愛いパターン
強すぎる「我が子が、我が子が」 の母親は、常に子どもを「いい思い」させようと奔走する。
では、毒親タイプは…?これは実は、自分も子供も両方かわいいと思っている人に当てはまるパターンです。自分も子どももかわいければ、たいていはバランスがとれそうなものですが、子どもは親自身と同一化することが多いので、これは不健康なパターンです。
例えば、ヘリコプターペアレントは常に子どもを観察し、問題があれば急接近し、干渉する。この点では、子どもかわいさからそうしているように見えるが、その裏には親が期待するように子どもを育てたいという強い願望がある。「この子は私の子だから、こうあるべきだ」と子どもを型にはめようとする。この点で、その行動は子どものためであるように見えるが、実は自分のためでもあり、言い換えれば自己憐憫の行為でもある。
ウィニコット博士のほどよい母親
イギリスの児童精神科医であるウィニコット博士は、「発達段階理論」の中で「Good enough mother」という言葉を提唱した。これは、「ちょうどいい母親」「ほどよい母親」のことである。
「ほどよい母親」とは、適度な身体的・精神的ケアを通じて、快適な環境を提供する母親である。言い換えれば、”良い母親 “とは “普通の母親 “である。
“完璧でない母親を持つ子供が、普通に元気に育つことができるのは、その子供にとって十分な “ほどよい子育て “があるからである。”
子育ての妙味はまさにここにある。
先ほど、親子間のアンバランスが問題を引き起こしやすいと述べたが、だからこそウィニコット博士は、”ほどよい母親像 “を提唱したのである。実際、不十分な母親の例として、博士は次のように述べている、
・強迫的に自己に没頭し、子どもを顧みない母親
・子どもに過度にのめり込み、子どもと同一化してしまう母親。
前者はネグレクトや虐待であり、後者はヘリコプター・ペアレント、モンスター・ペアレント、過保護を予期させる。目標は、自分にのめり込みすぎることでも、子どもにのめり込みすぎることでもない。
目標は「ほどよい母親」であること。一生懸命だが頑張りすぎないのが子供にとっていい環境である。