「自分で判断できる子」につながる「我慢強い子」の育て方



実際、幼少期に自分の欲求が十分に満たされ、我慢した経験が少ない子供は、将来がまん強い子供に育つことがわかっている。
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我慢強い子供は、自分の本性を抑圧する危険性もある
小さい頃に親から「我慢しなさい」と言われ、我慢している子どもは、「いい子」「頭のいい子」「親にしつけられた子」と評価されることが多い。
確かに、身の危険を感じたり、他人に迷惑や危害を加えたりする子どもには、我慢をさせなければならない。しかし、子どもは健全な成長発達の過程で様々なことに興味を持ち、「知りたい」「やってみたい」という欲求や意欲を持っている。
親から「いい子」と褒められてばかりいる子どもは、「いい子でなければ親に褒められない」「利口でなければ親に嫌われる」と、自分の本性を抑えてしまうことがある。
目標は、子供が自分の意志で行う「自制的忍耐」である
自然な欲求を抑えている “いい子 “は、我慢しているにもかかわらず、その “我慢 “に気づいていないことが多い。親からさらに我慢を求められると、子どもは次第にストレスを蓄積していく。
そんな子どもは、親の見ていないところで我慢ができなくなったり、ある日突然爆発してキレたりする。
子どもが身につけるべき「我慢」とは、押しつけられる我慢ではなく、自分の意志で感じ、判断し、行動できる「自制の我慢」である。
常に我慢を強いられる子供は、決して満足することはない
ありのままの子どもを受け入れることで、親子の信頼関係は深まり、子どもは自ら自制心を身につけていく。
親から我慢を強いられている子どもは、自分のやりたいことや欲しいものをいつも邪魔してくる親に不満や不信を感じたり、我慢ができないから親に愛されていないと感じたりするかもしれない。
その心の隙間を埋めるために、焦ったり、親を困らせたりして、親の愛を確かめようとする。つまり、我慢できない子供とは、親からいつも我慢を強いられている子供のことである。
子どもはありのままを受け入れてもらえた時に心が満たされる
「いい子で我慢しているあなたが大好きよ」と言うのではなく、「我慢できないあなたも大好きよ」と言って、ありのままの子どもを受け入れてあげる。
そうすることで、子どもは「どんな自分でもお母さんは愛してくれている」と感じ、親子の信頼関係が深まり、子どもの心が満たされる。
ありのままを受け入れることで、子どもは自制心を養う
親との信頼関係が強い子どもは、親の気持ちを理解しようとする。だから、自分の気持ちや行動をコントロールし、自分で考え判断し、親からの “我慢 “にも “耐える “ことができるようになる。
「子どものありのままを受け入れる」「子どもの心の欲求をできるだけ我慢させない」というのは難しいことかもしれません。家事に追われていると、”抱っこ! “と言われると、わかっていてもイライラしてしまい、つい後回しにして我慢させてしまうかもしれません。
しかし、子どもがハグを欲しがる瞬間は二度とやってこない。子どもが大きくなったとき、「あのとき家事を後回しにして、もっと抱きしめてあげればよかった」と思うことだろう。
子どもの心の欲求をすべて我慢せずに育てろとは言えないが、できる限り受け入れてあげよう。そうすることで、子どもは自己主張と自制心を調整する能力を身につけていく。