「私はダメな母親だ」と落ち込みがちな母親たちへ。



時間を持て余して落ち込む母親たち
SNSを開けば、毎朝手の込んだお弁当の写真をアップしたり、ホームパーティーを開いたり、かわいいネイルをしたり、子どもと一緒におしゃれを楽しんだり…と、キラキラしたママたちの日常が目に飛び込んでくる。
その一方で、私は…。最後に美容院に行ったのはいつだろう?もう何年も化粧品を買っていない。いつもTシャツにスニーカー。部屋を片付ける気力がない。子供と過ごす時間が足りず、朝から子供を怒ってしまい自己嫌悪に陥る。子供と過ごす時間が少ないのは、私がダメな母親だからなのだろうか。
手探りで始めた子育て。頑張っているのにうまくいかない気がして落ち込むことはありませんか?
子育て中は、子どもの頃を思い出すことが増える
子育てをしていると、自分が親にどのように育てられたかを思い出すことでしょう。「自分が親に育てられたように子どもを育てたい」「自分が親にされたくなかったことを、子どもにはしたくない」と考える母親は多いだろう。
その当時、両親はどんな気持ちだっただろう。私たちは、当時の両親の大変さを理解し、感謝の気持ちを抱くかもしれない。
一方で、幼少期の苦労を思い出す母親も少なくない。「兄弟との比較」「怒られたこと」「寂しかったこと」などが代表的だ。
「お姉ちゃんでしょ?自分だけ我慢させられた」
「弟ばかり甘やかされていた」
「優秀な兄や姉と比べられて、バカだと言われた」
「問答無用でたたかれていた」
「私が話しかけても、聞いてくれなかった」
「急に怒られた」
「私ひとりだけ別の部屋で寝かせられた」
しかし、多くの母親は、自分が親にしてきたと思っていたことを子供にしてしまったと気づいたとき、落ち込んでしまうようだ。今も親との関係がうまくいっていないなら、なおさら自分を責めてしまうかもしれない。
それに気づいたら、別の道を探したらいい
でも心配はいらない。あなたも「親と同じことをしていること」に気づけているから。子どもにとってつらいことだとわかっているから。あなたは自分を責め、そのせいで落ち込んでいる。自分の親とは違う関わり方をしたいから悩んでいるのだ。
そのことに気づけば、別の方法を見つけることができる。変化は気づきから始まる。あなたはすでにその一歩を踏み出している。
親に愛されて育たなかった人は、子どもをどう愛せばいいのか、どう愛を伝えればいいのかわからず、堂々巡りをしているかもしれない。受け取っていないものを与えることはできない。ならば、周りの人から受け取ってください。今からでも遅くはない。
なぜ辛いのか、どんな助けがあれば気持ちが楽になるのか、考えてみてください。そして周りの人に助けを求めてください。なぜつらいのかわからなくてもいい。愚痴や泣き言を言っているうちに、だんだん理由が見えてくるかもしれません。
他の母親が一人で立派に子育てをしていると思い込まないでください。みんな大変なのだ。でも、言葉にしなくても、それぞれのお母さんが自分の力で乗り越えてきたからこそ、「母親ならサポート無しでも大丈夫」と社会が変わらないのかもしれません。
市役所など自治体の「子育て支援課」や「児童相談所」などの相談窓口も活用したい。子育てについて一緒に考えてくれる人がいることは、とても心強いことです。自分の問題に気づき、何とかしたいと思ったら、専門機関に相談に行く。子どもを思う気持ちがなければできないことです。
子育てを楽しめない自分を責めないで
子どもを虐待しているわけではない。親としてやるべきことをやっている。でも、子育てを楽しんではいない。自分の子どもをかわいいと思えない。そう悩む母親は多いようだ。たしかに「楽しくない」のは、沸点に達している証拠。子育てが「楽しくなく」なり、「つらい」「しんどい」と感じたら、うつ病の可能性も考えて心療内科を受診すべきです。
しかし、子育てには「向き・不向き」があります。また、長い子育ての間には「つらい時期」もあります。
子どもを傷つけないこと、食べ物や言葉や視線を与えること、寝かせること、病気になったら病院に連れて行って看病すること。基本的に、それができれば親としては合格だ。愛と信頼はそういう関係から生まれるものだ。
「私はダメな母親だ…。」と落ち込むときは、「本当にそうだろうか?私にもできていることはあるよね?」と自問し、ベストを尽くしている自分を褒め、そうでない自分を許すことが大切だ。